2013年11月27日水曜日

受託研究模写

本学日本画専攻教員と卒業生により、平成22年度より安城市歴史博物館所蔵「本證寺本 聖徳太子絵伝」(重要文化財)現状模写を行っています。

この作品には、聖徳太子が生まれてから生涯にわたって行った偉業の数々が年齢ごとに描かれています。また、「聖徳太子絵伝」と呼ばれる作品は多く存在しますが、本證寺本の特徴はひとつずつが大きな掛け幅で、全十幅からなる大作であることです。

 
                  第三幅                             第十幅


模写には大きく分けて「現状模写」「復元模写」があります。
「現状模写」は文字どおり、作品の古い雰囲気や絵具の変色、剥落(はくらく)も含め、現在の状態を写すことです。
「復元模写」は描かれた当時の状態を想定して描くことをいいます。 

本研究では、現状模写といっても原本にある汚れは描かず、傷も目立たないように模写することで、絵画として見易くなるようにしています。

一年に2幅ずつのペースで制作しており、平成26年度に全十幅完成予定です。
本年度は第四幅、第五幅を制作しています。
下の写真は夏ごろの作業風景です。

古色づけのようす(古びた雰囲気を絵具で表現する作業)